●●● 第3章 花屋修業時代苦悩編
26回 [高級不用品]
引越し先も決まりました。
この時住んでいた部屋は、主人の会社が借りていたもので
8月末までには引っ越さねばならず
あと1週間しか、時間が無いのでした。
住んでいた部屋は3LDKのライオンズマンションでしたが
今度のお部屋は1DKです。
かなりの物を処分しなければなりません。
私が1人暮らしの時に買っていた物は
そのまま残っていましたから、荷物は結構あったのです。
(安物ばかりでしたが‥)
それと、彼が私に買ってくれたものも
手元に残っていました。
私、一時期 着物にはまってしまった事があり、
数枚の着物や帯など を持っていました。
(これは彼と出会う前の物なのですが‥)
処分する為に
「不用品の買取」をしてくれる所に電話を入れて
来て貰ったのですが、
100万円以上する着物類が
なんと
一式
全部で
「5000円」
だって、言うんです!!!
100万が、たった 5千円ですよ~。。。
確か着物が3枚と道行きコートと帯が3枚
そんなもん だったと思うのですが‥
まだ、仕付け糸もついたままの着物もあったのに‥
(つまり、まだ1度も着てないものもあったのです)
「そんな金額じゃ、売れません。
もう、いいですから‥」
そう言った私に
営業さんが
「折角ワザワザ来たのに~
手ぶらじゃ、帰れませんよ。。。
なんか、ないんですか??」
って、言うんです。
「それもそうだよね~」って、思って
まだ1度も使っていない
「ゴルフクラブのセット」を出したのでした。
全然使って無いのに、
これもセットで
5000円 だって。。。
「えぇ~、1度も使ってないのに~っ」って言ったけど
「もう、ビニール取ってあるでしょ」
「新品にはならないんですよ」
って、言われて、仕方なく5000円で譲ったのでした。
(折角来てくれたのに、悪い と思ったのですよ。。。)
その話しを、パンチャー時代の1人の友人に話したら
「その着物、私達が売って来てあげる」
って、言ってくれて
パンチャー3人で
「質屋巡り」をしてくれたのです。。。
今では質屋さん って、ハイカラになっていますが
昔は、誰にも見られない様に、こっそりと
入って売ってくる って 暗いイメージの所でしたね。
「3人とも、初めての質屋体験だったそうです。」
「ごめんね~」って、言う私に
「結構面白かったよ!!」
「おばちゃんの、質屋 珍道中やった~!!」
「何軒か回ったんやけど‥」
って言って、
渡してくれたお金は
「五万円」 になっていたのでした!!!!
(一箇所では5千円のものが、他方では五万円になるのです
怖いですね~!!!)
それにしても、
私の為に、
「質屋巡り」までしてくれた 友人達に
「感謝」です。
他のいらないものも(新しいマンションに持っていけない物)処分して
引っ越す事になったのでした。
<つづく>
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◆宮川の、ちょっと一言 「捨てる神あれば、拾う神あり」 「人生、捨てたものではありませんね」 辛い思いをしていると、人の温かさが心に沁みます。 |