●●● 第7章 フラワースクール迷走期
110回 [自分の作品]
グリュンベルグでの 7日目。
最終日は、
「時代様式」の作品発表でした。
先日見に行った「ミュージアム」 を ヒントにして、
自分なりの作品を制作する。
それが、「最終課題」 でした。
昨日から、この制作に取り掛かっていました。
結局、「夜なべ」になりましたが、
それはそれは、「楽しい夜」だったのです。
このグリュンベルグでは、
作品制作する教室を 24時間 「開放」しています。
だから、それまでにも 「随分とお世話になった教室」でした。
40名の生徒の中でも、「関東メンバー」と同じくらい人数が多かったのが
「名古屋メンバー」でした。
この「名古屋メンバー」 随分と 「結束が固い」。
古くからの知り合い の様でした。
1人ずつ、「お米」「漬物」「ふりかけ」「お味噌汁」などを振り分けて
ドイツに持ち込んだようで。
その恩恵に与って、
この「夜なべ」 に嬉しい
「おにぎり」 を頂いたのでした。
本当に、心から 「あたたかい」 おにぎり でしたね~。。。
皆で、頭を悩ましながらも 「それぞれの、自分の作品づくり」に励んでいると、
アシスタントを務めてくれている、ベアトリックス が顔を覗かせに来てくれます。
「みんな、がんばってる~」 って。。。。
彼女はとっても、キュート で、アドバイスも「的確」です。
学校には、「バー」があるので、アスマン先生も生徒もベアトリックスも
夜は飲んでいるんだけれど、
最後には、こうして夜回りに 来てくれて
帰っていくのでした。
そして、いよいよ、 発表の時。
大きなテーマは 「時代様式」ですが、
どの「様式」を選んでもOKです。
私がチョイスしたのは、
「ユーゲントシュティール(アールヌーヴォー)」
(ドイツでは、ユーゲントシュティールですが、フランスではアールヌーヴォー、同じ意味です。)
先日のミュージアムで見た、あの光景に「刺激」を受けたものでした。
「きれ~い!!」
思わず声が出た、ステンドグラス です。
展示物ではありませんでしたが、一番心に刺さったものでした。
だから、
「あの イメージで 作品を作ろう。」 そう思いました。
そして、
出来上がったのが 下の写真です。
初めての、「自分自身の作品」 になりました。
「テーマに合っていて、とても美しい」
と、講評を頂き、褒めて貰った作品です。
また、
自分なりにも、「満足」出来た、
嬉しい 「第1号 作品」 の誕生 なのでした。。。
<つづく>
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この時、まだパソコンも持っておらず、クリアな写真が残っていないのが残念です。
ですが、イメージはなんとなく、伝わったんじゃないでしょうか?
ためになる7日間を過ごし、翌日私達は、グリュンベルグの学校をあとにしました。
場所を変え、花の勉強は続きましたが、
その後のドイツも、「感動の嵐」 なのでした。。。
〔追憶〕 それは、ドイツの 「環境」も大きいのですが、 特筆すべきは、「人間」、「教えて(教える人達)」の素晴らしさでしょう。 この後、とても「哀しい」 出来事が起きてしまいました。 グリュンベルグでも、大変お世話になり、(この翌年も伺いました)キュートで、大好きだった、「ベアトリックス」が 自動車事故で、帰らぬ人 になってしまったのです。 「将来を嘱望(しょくぼう)されていた彼女でした。」 アスマンの秘蔵っ子で、才能に溢れ、そればかりでなく キュートで茶目っ気があって、心配りが出来て、真面目な人でした。
日本でのセミナーを控えた直前、ドイツでの講習会を終え、帰宅中の事故でした。 一緒にデモに参加していた友人の運転だった と聞きましたが、そのお友達も助からなかったそうです。
「ベアトリッスクが亡くなった」 そう連絡が来た時は、 生きていれば、ベアトリックスの手によって、沢山のデザイナーが生まれた だろうに… と、想像すると、残念 でたまりません。
これを、読んでいるあなたへ- 「車の運転には、気をつけましょう。」 |
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